学校や職場に適応できずに心身に不調をきたし、適応障害と診断される方は多いです。他の診断がつかない際につけられる診断でもありますが、その精神的苦痛は一概に軽いとは言えません。

適応障害の原因

 適応障害は学校、仕事、人間関係、病気など生活のストレスを原因に発症します。その多くは日常的で、同じストレスを受けても発症する人と発症しない人がいます。

適応障害の症状

 適応障害は多彩な症状をきたしますが、気分が徐々に落ち込む、眠れない、体が重い、朝起きられないといった症状で始まることが多いです。初めて発症した場合、ストレスが原因だと認識できていないことも少なくありません。

適応障害に特徴的な要素

    1. 気分変動性

     適応障害では不適応をきたしている環境、ストレス要因から抜け出すと症状が顕著に軽くなります。逆に、うつ病ではストレス要因による気分の変動はあまりなく、慢性的に気分が落ち込んでいる状態が続きます。

    2. 興味が比較的保たれる

     適応障害でも趣味やテレビなどを楽しめなくなりますが、うつ病に比べるとその程度は控えめです。

    軽い病気とは限らない

     適応障害の診断でも死にたい気持ちがあることは稀ではなく、実際に自殺する方もいます。背景に発達障害やパーソナリティ障害など大事な病気が隠れていて、それが診断されていないだけのこともあります。

     また、ストレス要因が強いからこそ、薬があまり効かず、環境から逃げ出せずに難治性となりえます。適応障害だからといって軽い病態と思わず、自力で改善できる見込みが乏しければ速やかに精神科を受診することをお勧めします。

    休む勇気を持つ

     改善の見込みがないのであれば、不本意だとは思いますが、休むことを視野に入れてください。その生活には無理があり、心身が悲鳴をあげているのです。まずは休むことが大事です。診断書が必要なら、早めに初診の予約をとるか、当日受診が可能な病院を探してください。

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