適応障害と診断されて診断書をもらって、休む方は多いですが、なかなかよくならない方も多いです。そんな方に向けて休み方を解説します。

学校/職場のことからなるべく離れる

 不適応をきたした要素からなるべく離れて休養することが大事です。診断書や連絡などでどうしても関わる必要が出てきますが、最低限にするか、家族に任せましょう。関わるたびにダメージを受けます。学校/職場のことを考えるのは復帰の1週間前くらいからでよいです。

生活リズムを整える

 不思議なもので、生活リズムが整わないとよくなりません。一日二食以上食べて、朝〜夕起きて、夜寝るという基本的な生活を維持することが大切です。

 適応障害になると朝起きられなくなる方も多いですが、最初は難しくても、朝起きて、少し散歩して光を浴びて、美味しいものでも食べて、夜まで寝ないように頑張って、なんとかリズムをつけていきましょう。リズムがつくと回復が軌道にのることが多いです。どうしてもリズムが整わない場合、リズムをつけるのに適した睡眠薬のラメルテオン(ロゼレム®)を処方してもらうなど、薬の力を借りましょう。

徐々に活動範囲を広げる

 休養中は非常に疲れやすいのですが、散歩は回復にとても大事です。人を避けるようにで構わないので、歩く距離を少しずつ伸ばしていきましょう。疲れたら休養の時間を十分にとりましょう。

 買い物から始まって、最終的には近場の旅行くらいはできるようになっておきたいところです。旅行は会社や学校に悪い?いえ、行けるなら行ってください。場所を変えれば気分も変わります。それが治療になります。

復帰のタイミング

 理想は「十分に回復したので、戻りたくて仕方がないので戻る」ですが、金銭的な問題や学業の単位の問題などからその前に戻らざるをえないこともあります。どちらにしても、戻ることに迷いがない状態で復帰することになります。

 そんな状態であっても、最初は負荷を減らすことが望ましいです。少しゆっくりに感じるくらいに、段階を踏んで負荷をかけていきましょう。あなたはすでに無理がきかない体なのです。慎重にいきましょう。

復帰後は怒涛の生活が待っている

 復帰は飛行機の着陸に例えられます。それほど、負担が大きいのです。体力やストレス耐性が低下しているので、すぐに疲れますし、ストレスに応じてすぐに調子を崩します。慣れるまで、なんとか心と体を守って凌ぐ必要があります。

 周りの評価は過剰なほど優しかったり、逆に邪険に扱われたり、人によりさまざまです。その落差にも違和感を感じるでしょう。まずは1ヶ月、耐え凌ぐことです。疲れたらすぐに休養をとって、明日行けるように体調を整えましょう。そのうちに体が少しずつ慣れていきます。時間は味方です。

異動や退職も視野に

 1度不適応をきたして休養した方が、復帰して同じ環境に適応できる確率はあまり高くなく、部署を異動したり、転職する方も多いです。残念ながら、組織は簡単には変わりません。申し訳なく思わず、辞めることも視野に入れておいてください。