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私事

旅を充実させるには

 インドア派ですが外出の必要性も実感してきてから、さまざまな場所に行くようになりました。その中でもいまだに最高だったと思っている旅があるのでそのプランをご紹介します。

 大学病院で働いていた時のことです。夏休みに相当する休みを秋頃にとって、2泊3日で「しまなみ海道」に一人で行ってきました。

 しまなみ海道は広島県の尾道市と愛媛県の今治市を結ぶ、島を渡り歩くように設定された全長約70kmほどの道です。サイクリングが有名なので、思い切って1日で走破してやろうと、やや無謀なプランを立てました。

「夜行バスで広島に行き、早朝に尾道で自転車を借りて出発。営業時間内の午後8時までに今治に着いて自転車を返す」

 12時間あるので行けるとは思ったのですが、サイクリング初心者がハードめな目標設定をしたもんだと思います。実際には道は間違えるし、自転車の揺れで手のひらとお尻が痛くて、太陽もまぶしくて、時間内に着くために寄ろうと思っていた海賊ミュージアムも諦めざるをえず、高所恐怖があるのに橋の上も渡りまくるなど、なかなかに過酷でした。一島目で既にその過酷さに気が付きました。

 特に辛かったのが、島を渡ろうとするたびに橋の高さまで坂を登らないといけないこと!辛すぎて毎回自転車を降りて歩いていました。最後の方は橋の上でも漕いでなかったです。あまりにも歩くものだから、横を走る優しい外国のカップルが自転車がパンクしていると思って声をかけてくれました。そんなカップルに向かって一言叫びます。

I’m too tired!!

 意味は通じましたが敗北感がありました。そんな敗北感も気にしている場合ではなく、ひたすらに時間内に着くことを目指していました。

 一方で道中、楽しい事もたくさんありました。景色はほんと最高ですね。海沿いは絶景がずっと続いていて、いまだに瀬戸内は老後の余生を過ごしたくなるような憧れの場所です。行く先々でその土地ならではの物を食べるのも最高の体験でした。

 結局、今治のレンタルサイクルショップに着いたのは午後6時。そう、10時間が経過していました。着いた頃には疲れ切っていて、なんとか食事と入浴を済ませ、予約していたのはカプセルホテルでしたが、ぐっすり寝れました。

 翌日は今治城に寄ってから松山へ。坂の上の雲ミュージアムと松山城、道後温泉を訪ねて、その日の夜行フェリーで大阪に戻る。その道中も日本史好きとして最高でしたが、それは何より一日目の達成感が持続していたことが大きかった。足は疲れ切っていても、心はいつまでも充実していました。エンドルフィンでも出ていたのでしょうか。

 それ以後も定期的に旅行はするようにしていますが、あの時を超える体験はありません。旅は工夫次第で面白くなります。体を意識的に動かすのがきっとポイントですね。ただし事故や事件に遭っても責任は取れませんので、リスク管理をしたプランの設定をお勧めします。

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